こんな作者・読者にオススメ!
- 女性が活躍する話が好きな読者
- 刑事もののミステリーやサスペンスが好きな読者
- エログロに耐性のある(心臓が強い)読者
- 殺人シーンの描写を学びたい作者

ストロベリーナイトは、2006年2月に光文社から刊行された、誉田哲也先生の『姫川玲子シリーズ』の第一弾となる刑事もののミステリー小説よ。
超がつくエログロ
これまでいろんなミステリー小説を読んできましたが、本作は断トツでエグいです(笑)。成人向け小説ではないのですが、R-18指定されてもまったく不思議ではありません。
死体や殺人の描写があまりにも生々しすぎるため、文字を読んでいるだけにもかかわらず、頭のなかで映像が流れることはもちろん、血液の生温かさや腐敗した肉の臭いまでもがリアルに感じられます。目玉をえぐるシーンなどはきっと、目を逸らしたくなるでしょう。
同様にエロもリアルです。いわゆる濡れ場はないのですが、それでもエロいです。しかし、レイプなど残酷な描写ばかりので、興奮はできないかもしれません。こちらも思わず顔をしかめたくなります。

殺人シーンが怖すぎてボクはページを飛ばしちゃったよ((((;゚Д゚))))ガクブル
なぜ伝わるエログロが書けるのか

き、きっと、ほんとうに人を殺したことが――💦

なわけないでしょ!(# ゚Д゚)

ははは。大半は冗談だろうけど、この手の誤解はよく聞く話だよね。

ちゃんとしたエログロが書けるのは、誉田先生の人間観察力がとても優れているからよ。
主人公の女性警部補・姫川玲子をはじめ、すべてのキャラクターが強烈な個性を放っています。
警察組織の内部事情もリアルに描かれており、バックグラウンドがしっかりしています。現代の日本を舞台に、それぞれの立場からそれぞれの主張を持ち、ときに反発し、ときに協力し合いながら捜査していく様子は、まさに日本の警察そのものといえるでしょう。

男性優位の社会で孤軍奮闘する玲子さんの勇ましい姿にあこがれる女性は多いんじゃないかしら。
また、犯人のクレイジーっぷりも現実に負けず劣らず奇なりです。
動機に共感できる読者は少ないでしょうが、犯人の行動原理は納得できるものとなっています。
まとめ
あまり救いのない話ですし、最初から最後までイカれた内容なので、完全に読者を選ぶタイプの小説です。
それでも、人情味あふれるキャラクターたちのおかげで後読感は悪くないと感じるでしょう。

文字だけでこれだけ読者の感情を揺さぶれるものなのか、と感心させられること請け合いです。玲子さんの活躍が気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
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