【おすすめ小説】そして二人だけになった 著:森博嗣【要約まとめ】

そして二人だけになった おすすめ小説

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  • 森博嗣のファン
  • 理系の方
  • 洞察力を磨きたい読者
  • 恋愛要素を含むミステリーを書きたい作者

あらすじ

 全長4000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊。その内部に造られた「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間に科学者、医師、建築家など6名が集まった。プログラムの以上により、海水に囲まれて完全な密室と化した「バルブ」内で、次々と起こる殺人。残された盲目の天才科学者と彼のアシスタントの運命は……。

出典 そして二人だけになった 著:森博嗣 出版:新潮社

トリックの要は相対性理論にある

 本作の謎を理解するためには、我々はみんな『他人が創った物語のなかで生きている』という事実を認識する必要があります。

本田奈那子
本田奈那子

 ――なんて言うと『メタフィクションか?』と思われるかもしれないけど、そうじゃないわ。

 作中作のような世界観は現実にも当てはまります。

 たとえば時間という概念

 これは本来、現実には存在せず、個人の内側にしか存在していません。

 本作でも引用しているアインシュタインの相対性理論をざっくり説明してしまうと、『時間は一定ではなく、空間によって変化する』という意味になります。

 空間座標と言い換えるべきでしょうか。座標軸となるのは人間です。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ、退屈な時間は長く感じられる。これこそが『人間はそれぞれ違う時空を生きている証』といえるでしょう。

 しかし、ここで問題が生じます。ひとによって流れる時間が違うと、社会生活の営みに不都合が生じてしまいます。

 そこで便宜上べんぎじょう標準時という物語が創られた』わけです。

 みんなが時間は存在しているという幻想を共有しているからこそ、現実に時間が存在しているように感じられるのです。

 こういった物語は共同幻想となり、常識という名を借りて、知らない間に創りだされ、そこかしこに蔓延はびこっているから油断ができません。

 多くのひとは、この常識という名の物語にどっぷりハマって抜け出せなくなっています。そもそも囚われていることにすら気づいていないでしょう。しがらみが加わると、わかっていても抜けられないというジレンマにも陥ってしまいます。

 ですが心配は無用です。この『他人が創った常識』という名の檻からの脱出は決して不可能ではありません

本田奈那子
本田奈那子

アインシュタインも『常識とは二十歳までに身につけた偏見のコレクションである』と述べているように、ただの思い込みにすぎないの。

 ですから――

 『常識なんていうものは現実には存在しない』と認識してしまえば、それで抜け出せてしまうのです。

まとめ

 本作は、二人の男女の視点を交互に繰り返しながら進んでいきます。

 彼らの間に生じるわずかな時間と空間のずれ、認識の差、つまり相対性理論が彼らの物語を支配しています。そこに気づいた二人の取った行動は、ある意味では物語からの脱出といえるでしょう。

 ある意味では時空間からの超越といえるでしょう。

 ある意味では常識の破壊工作といえるでしょう。

 はたしてその行動は正しいのでしょうか? 

 それとも間違っているのでしょうか? 

 まるで恋愛小説のような出だしですが、前述した前提条件を踏まえたうえで本作の結末を読むとまったく違った景色が見えてくるはずです。

本田奈那子
本田奈那子

 ぜひその結末を、あなたの目で見て、あなたの頭で考えて、あなたが持つ常識と照らし合わせて判断してみてくださいね。

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