働き方が合わずに辞めた診療放射線技師に復職した話【約1,900文字】

オリジナル小説

働き方が合わずに辞めた診療放射線技師に復職した話

 私は、中学校の頃に視聴したドラマ『コードブルー』の影響で医療系の仕事に興味をもちました。学力的に医師は厳しいと思ったのと、放射線を用いた一般撮影装置やCT、またMRIなどのメカメカしいところが心に刺さり診療放射線技師を目指すことにしました。

 病院で働いている職種と言えば医師や看護師が真っ先に浮かびますが、診療放射線技師しんりょうほうしゃせんぎし理学療法りがくりょうほうし士などたくさんの専門家がいて病院が成り立っています。しかし、認知度が低いため、親戚の方に「診療放射線技師として働いているよ」と言っても、「なにそれ?」という反応を返されることが多かったです。

 最近では、技師を題材にした『ラジエーションハウス』というドラマの影響で少しずつではありますが、世間的にも知られてきたと思います。

 病院などで放射線を用いた一般撮影検査やCT検査、磁気を用いたMRI検査、またがん治療のうちの1つである放射線治療などに従事するのが診療放射線技師になります。病院によっては、エコー検査などにも携わります。

 

 診療放射線技師について軽く触れたところで、私の話に戻します。

 高校卒業後は、技師免許を取得できる大学に入学して、国家試験に合格し、卒業することができました。病院実習や国家試験対策は大変ではありましたが、実習先の先輩技師の方も優しい方が多く、国家試験対策も友達と楽しみながら取り組むことができたので環境に恵まれたと思います。

 卒業後は、地元の総合病院に入職しました。人の命を預かるという責任感のある仕事に加えて、日々進化する医療技術についていくための勉強など大変な日々が続きました。しかし、中学生の時から憧れていたメカメカしいCTやMRI装置を実際にいじることができましたし、患者さんから感謝されることも多くやりがいがある仕事内容で充実感のある毎日を過ごすことができました。

 しかし、そんな私も半年後には辞めたいという気持ちが出てきました。結果的に約2年間の病院勤務ののち市役所に転職をしてしまいます。

 仕事内容にやりがいを感じていましたし、人間関係も良好ではありました。それでも辞めてしまったのはなぜかと言うと『夜勤やオンコールなどの働き方が合わなかったから』です。

 半年後には辞めたい気持ちが出てきてしまったと言いましたが、その半年後とはオンコールや夜勤の担当が開始する時期だったのです。

 働き方は、慣れていくものかと思っていましたが、どれだけ数をこなしてもまったく慣れませんし、肉体的にも精神的にもストレスが溜まる一方でした。特に印象深いエピソードがあります。疲れてぐっすり寝ている真夜中にオンコールの呼び出しの電話が鳴り、急いで病院に向かいました。病院に着くと患者さんはかなり軽症で「こんな軽症で病院に来るなよ……」と思ってしまったのです。患者さんは軽症などの判断は出来ませんし、何より不安で来院されたので、そう思ってしまった自分に嫌気が差しました。

 約2年後、オンコールや夜勤から逃げるように市役所の職員になりました。なんとなく休日がしっかりしてそう、定時に帰れそうというイメージで公務員になったので、仕事自体にやりがいを見出すことができませんでした。また、一般的な公務員のイメージとは裏腹に、サービス残業や休日出勤、市民からの理不尽なクレームなどで精神的にもしんどくなりました。

 その後、中学校の時からやりたかった診療放射線技師、かつ自分に合った働き方が出来る職場を探してみました。インターネットでの情報収集や技師友達にも相談した結果、企業などの健康診断を担当する『検診センター』に出会いました。検診センターは基本的に夜勤がありませんし、緊急の撮影などは入らないので休みもしっかり取れます。何より診療放射線技師として働くことができるのです。

 しかし、市役所勤務で1年近くのブランクがあるので、採用いただけるか不安ではありました。私の今までの経験したことやそこから感じたことなど正直な気持ちを全部お話ししたところ最初に受けた第一志望の施設から内定をいただくことができました。

 職場を辞めることで親を心配させることもありましたし、職場に迷惑をかけることもありました。しかし、様々なことに悩むだけでなく、なんとかしようとひたすら行動しました。その結果、診療放射線技師をやりつつ、自分に合った働き方の出来る職場に出会うことができ、中学校からの夢を再び叶えることができました。まだまだ、人生道半ばではありますが、自分の行った選択を誇りに思えるように精一杯頑張っていきたいと思います。

本田奈那子
本田奈那子

 人生山あり谷ありですね。私もなりたい職業に就けるかしら?

遊び心
遊び心

 人間万事塞翁が馬とも言うよ。何が起きてもあきらめずに探し続ければ道は開けるさ。

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