本書の概略

本書は、SB新書から刊行されたビジネス書です。
今回読んだ本は小説ではなく、ビジネス書になります。
お金にまつわる本というと、たいていは貯めるや増やすがテーマになりますが、本書は減らし方、つまり使い方がテーマとなっています。
作家として成功し、大金を得た森先生ですが、お金に対するスタンスは一般的に創造するお金持ちのそれとは違ってみえます。しかし、お金の本質をついた一冊といえるでしょう。
読書感想文(レビュー・要点まとめなど)
- なぜお金を稼ぐのか
- 必要なモノではなく、欲しいモノを買おう
- 自分の物差しで価値を測ろう
なぜお金を稼ぐのか
そもそもボクたちは何のためにお金を得るのでしょうか?

多くの方は生活のためと答えるのでは?
食べ物や衣類、家賃や水道・ガス・光熱費はもちろん、最近は通信もインフラと化しています。
生活を維持していくためにお金を得る必要があるのはたしかです。
しかし、多くの方は労働した対価としてお金を得ているはずです。それはいわば時間の切り売り、つまり命と交換してお金を得ていることになります。
そして、命を削ってまで得たお金をボクたちはまた、生命を維持するために必要なモノと交換しなくてはいけません。

はたしてそれは有意義な使い方と言えるでしょうか?
必要なモノではなく、欲しいモノを買おう
ボクたちは得たお金を何に使えば良いのでしょうか?
- 必要なモノはできるだけ買わない。
- 欲しいモノをできるだけ買える状況にする。
大変な思いをしてまで稼いだお金。
それは本来、本当に欲しいモノと交換するために使うべきです。
心から欲しいと思えるモノを得るために稼ぐ。

これが本来の稼ぐ目的ではないでしょうか
しかし、生活に必要なモノは油断すると次々と増えてきます。
スマホやパソコンはいまや必需品となっており、通信費という新たな生活コストがかさむようになりました。
なぜなら、必要だからという理由は浪費の言い訳にしやすいからです。
- 社会人になったからスーツが必要?
- 結婚したからマイホームが必要?
- 子どもが産まれたから保険が必要?
どれも必要に思えそうですが、それだけに思考停止していないでしょうか?
例は極端かもしれませんが、無条件に必要だと思い込んで買っているモノはないでしょうか?
必要なモノだからという理由でお金を使っていては、本当に欲しいモノはいつまで経っても買えません。
また、必要なモノと欲しいモノをきちんと区別しておかなければ、けっきょく何のためにお金を使っているのかわからなくなってしまいます。
自分の物差しで価値を測ろう
必要なモノと欲しいモノ。どうすればそれらを区別できるのでしょうか?
答えは、モノに対する尺度を自分で決めることです。
たとえば、あるモノを見て、それがいくらなら買うか自分で値段をつけてみましょう。
もしも実際の価格より少なく見積もっていれば、どんなに流行っていて、みんなが欲しがっていても、それはあなたにとっては割高であり、欲しいモノとはいえません。
逆に、誰から注目されていなくても、あなたが価値を見出せるのであれば、それは欲しいモノといえます。

まわりに流されないために、ひとりになってから、それが欲しいモノかどうか考えてみよう。
本当に欲しいモノは、たいていは生活から離れたところにあり、他人から見れば無駄なモノだったり、遊びの部分だったりするものです。
家族や友人の了解など得る必要はありません。
モノの価値を決めるのは自分自身です。
注意点
とはいえ、一点だけ注意しておきたいことがあります。
欲しいモノを優先させるあまり、生活自体を破綻させるようなマネは厳禁です。
本書でも収入の2割を欲しいモノに使おうと書かれています。

欲しいからといって借金をしたり、まわりに迷惑をかけるのはNG!
まとめ
現代の日本で豊かに生きるためには、お金の問題を避けて通ることはできません。苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、金額の多寡にかかわらず、有意義な使い方を知ることは豊かな人生を歩むための一助となるはずです。
なぜなら、お金は、欲しいモノと交換し消耗して、ようやく使ったといえるからです。
そう、最後はお金は使ってなんぼなのです。

答えは人それぞれでしょうが、本書はお金をどう使うか考えるきっかけとなるでしょう。
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