日本の高配当株投資は儲からない?
- 株価が下がってつらい
- 減配・無配になった
高配当株ではFIREできないと思われるかもしれませんが、決して不可能ではありません。
なぜなら、僕自身が日本の高配当株でFIRE後の生活費を賄えているからです。
本記事を読めば年収450万円のぽんこつサラリーマンでもFIRE達成できた方法を具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

本記事の内容は次の2つ
・日本の高配当株の探し方
・低リスクな購入タイミングの見極め方
日本の高配当株の探し方

前提条件として、本記事での高配当銘柄の目安は年間の配当金が3%以上の企業とします。
高配当株の一覧はYahoo!ファイナンスの配当利回りランキングで確認しましょう。
IR BANKを活用して高配当株を探す
日本の高配当株を探すツールとして『IR BANK』をフル活用します。
IR BANKは、決算スケジュールや企業ランキングなど、日本の企業分析に必要な情報が網羅されています。
IR BANKを使ってチェックする項目は次のとおりです。
- 年間配当金が3%以上
- 営業収益・EPSが右肩上がり
- 財務状況が良い(利益剰余金が多く、有利子負債比率が少ない)
- キャッシュ・フローが健全
- 一株配当が右肩上がり
- 配当性向40%前後
- PERが15倍以下
- 10年チャートで右肩上がり
【9433】KDDIを例に挙げ、各項目のポイントを順番に解説します。

営業収益・EPSが右肩上がりかチェックする
高配当投資において重要なことは、投資対象の企業が配当を出し続けてくれるかどうかです。
配当を出し続けるためには、配当の原資となる利益を出さなければいけません。
要は『儲かっている企業を選ぶ』というだけの話です。
では儲かっている企業をどうやって探すのか?
まず確認するべきポイントは営業収益とEPSです。
- 営業収益は本業の儲けを表す数字で、企業が活動するために必要なすべての資金の源
- EPSは1株当たりの純利益で、1株に対して企業がいくら利益を稼いでいるかを表す指標
売上とEPSは、企業を検索した後に表示される『企業情報』-『決算』から確認できます。


財務状況・キャッシュフローが健全かチェックする
財務状況をみれば、その企業の健全性がわかります。
利益剰余金が右肩上がりで増えていればキャッシュに余裕があり、配当金を出す余力があります。
また、有利子負債比率が少ない(100%以下)・無借金だったり、あったとしてもきちんと減らしていれば問題ありません。
財務状況とキャッシュ・フローも『決算』から確認できます。


配当推移で配当金をチェックする
いくら健全な企業でも配当金を出していなければ投資対象にはなりません。
一株配当が右肩上がりの企業を選びましょう。
理想は累進配当で連続増配を行っている企業です。
累進配当は、会社が株主還元政策で減配や無配にはしないと約束しています。
連続増配は検索すれば調べられます。
順位 | 証券コード | 会社名 | 連続増配年数 | 配当利回り |
1 | 4452 | 花王 | 32年 | 2.41% |
2 | 7466 | SPK | 24年 | 3.13% |
3 | 8593 | 三菱HCキャピタル | 23年 | 4.63% |
4 | 4967 | 小林製薬 | 22年 | 1.04% |
4 | 4732 | ユー・エス・エス | 22年 | 2.72% |
4 | 8566 | リコーリース | 22年 | 3.70% |
7 | 9058 | トランコム | 21年 | 1.75% |
8 | 8113 | ユニ・チャーム | 20年 | 0.78% |
8 | 9436 | 沖縄セルラー電話 | 20年 | 3.27% |
8 | 5947 | リンナイ | 20年 | 1.40% |
8 | 9433 | KDDI | 20年 | 3.16% |
8 | 9989 | サンドラッグ | 20年 | 2.89% |
※2022年8月時点
配当性向は、30~50%程度が適正な範囲です。
- 80%以上だと増配の余地が減り、逆に減配リスクが増える
- 20%以下だと株主還元の姿勢が無い(ケチ)

罠銘柄の見分け方
- 営業収益が落ちている
- EPSが落ちている
- 配当性向が高すぎる(80%以上)
- 過去に減配・無配にしたことがある
配当金の原資は本業の儲けを表す営業収益から生まれます。
売上が落ち、EPSが落ちると、配当の余力が落ちます。
さらに、配当性向が高いと、余力が落ちた時に収益以上に配当を出している状況(配当性向100%以上)になります。
そうなると減配や無配となるリスクが高まります。
実際に減配や無配にした実績のある企業は、業績が悪くなれば同じことを繰り返す可能性が高いです。
高配当株投資でFIREするには、安定的なキャッシュフローが必要不可欠です。
罠銘柄を避けるため、儲け続けている企業をしっかりと探しましょう。


根気よく企業分析すれば優良企業は必ず見つかります。
FIREしたいならここが踏ん張りどころです。
日本の高配当株の購入タイミングを見極める方法
当然ですが、株は割安のタイミングで購入した方が有利です。
- 少ない予算で買える
- 配当利回りが上がる
- 下落の下値が限られている
しかし、単純に株価だけを見て判断すると、罠銘柄をつかみかねません。
優良銘柄でかつ、割安かどうかを判断してから買いましょう。

割安の判断材料
- 株価の推移
- PERの推移

割安かどうかを判断するには、PERをチェックしましょう。
PERは株価収益率のことで、その銘柄が割安かどうかを表す代表的な指標で、『株価÷1株あたりの純利益(EPS)』で求められます。
IR BANKでは、企業を検索した後に表示される『PER予』から確認できます。

日本株の場合、およそ15倍以下だと割安と判断できますが、これは一律ではなく各企業や業種によって異なります。
市場で売買されている限り、割安かどうかの相場は相対的に決まるので、必ず他と比較して判断しましょう。
- 過去
- 同業他社
過去と比較する
KDDIの場合、過去と比較すると株価は右肩上がりで上昇しています。
2022年現在の株価は10年前よりも高いですが、PERの推移を見てみるとむしろ2015年ごろが割高だったことが分かります。安倍元首相によるアベノミクスで無理やり株価が吊り上げられた後で割高になったものと思われます。
逆に直近で一番PERが低かった(割安)だったのは、2020年に菅元首相が発した『通信費は4割下げられる』の直後でした。株価自体は2014年とあまり変わりませんが、このように企業が本来持っている実力以上に下げたときが絶好の買い場となります。

こういったハプニングによる買い場は滅多に訪れないため、なかなか買えないと嘆く方もいるでしょう。
そういう方は、過去の平均PERと比較して現在のPERが下回っていれば割安と判断し、買ってもOKです。KDDIの場合は、13年間の平均が12.45倍なので、それ以下なら割安といえます。
同業他社と比較する
同業他社で同じ規模の会社があればそちらの業績とPERも調べましょう。
KDDIの場合、【9432】日本電信電話(NTT)がライバル企業となります。
両社のPERの平均を調べるとNTTの方が平均PERが低く、さらに現状(2022年時点)のPERが平均を下回っているため、NTTを購入した方がお得だということがわかります。

チャートから購入タイミングを判断する

SBI証券ではチャートの形から銘柄を探すことができます。
ログインし株価検索を行うと『チャート形状』が表示されるのでクリックします。

すると以下のような図が現れるので、『もみ合い?』・『戻ってくる?』・『リバウンド?』・『下落ストップ?』・『これから上昇?』・『下げとまった?』などをクリックします。

たとえば『下げとまった?』をクリックすると次のような画面が表示されます。

図を見ると下落トレンドから横ばいになっていることがわかります。
この中に業績の良い高配当銘柄があれば監視銘柄に入れましょう。

さきに高配当銘柄をピックアップしておいて、チャートを確認の手順でもOKです。
ここから逆三尊や短期線と中長期線が交わるゴールデンクロスを形成し、上昇トレンドに転換する兆しが見えたら買い時です。
一度下落しきったタイミングで購入すれば、下値が限定的なのでリスクが低いです。
テクニカルの観点から購入タイミングを見極める方法は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
日本の高配当株の探し方 まとめ
- 右肩上がりで安定成長を続けている企業を選ぶ
- PERが低く、底から上昇するタイミングを狙う
余力があるとすぐに飛びつきたくなる気持ちはわかりますが、特売日や安くなっているタイミングを狙った方がお得なのはどの市場にも共通しています。スーパーでトマトを買うときと同じ要領で、トマト自体の過去の価格と比較したり、他のスーパーのトマトの価格と比較して安くお得に買い物をしましょう。
高配当株投資は一度買えば売る必要がないため、FIREの出口戦略を容易にします。
長期投資を前提とし、気長に買い時を待ち続けましょう。始めは成果が小さくとも続けていれば確実に大きな成果となって現れますので、ぜひ諦めずに続けてください。

それでは皆さん、ご安全に!👉
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