結論
キャラの心情を描きたいなら一人称一視点
誰がどういう立場から物語を語るべきか
視点の種類
小説は、基本的に誰かの視点を通し、誰かが語ることで話が進みます。この、誰がどういう立場から物語を語るかで物語の印象は大きく変わるのでぜひ覚えてましょう。

視点の種類は以下のように大別できます。
- 一人称一視点
- 一人称多視点
- 二人称
- 三人称一視点
- 三人称多視点
- 神の視点
多くの小説では、一般的に一人称視点と三人称視点が使われるため、今回はこのふたつに絞って解説します。
一人称と三人称

まずは以下の例文と特徴をご覧ください。一人称と三人称でそれぞれボクの視点で書きました。
ボクは臆病者なのでにわとりの姿をしています。頭には『安全第一』とプリントされたヘルメットを被っています。
- 主語が『ボク』や『ワタシ』
- 地の文は視点となる人物が心のなかでしゃべっている
- 視点の人物の心理描写が書きやすい
遊び心は臆病者なのでにわとりの姿をしています。頭には『安全第一』とプリントされたヘルメットを被っています。
- 主語が名詞
- 第三者が視点の人物に代わってしゃべっている
- 客観的な説明がしやすい
一人称はキャラクター自身が語っているのに対し、三人称はキャラクターの代わりに第三者的な立場から誰かが語っていると考えてください。

これらの違いをひと言で表すと『距離感』になります。
そして、この誰かというのは登場人物ではなく、しいて言うなら作者となります。

ただし、作者といえど、あくまでキャラクターに代わって語っているだけなので、そのキャラクターが知り得ないことを語ることはできません。
もしもキャラクターが知り得ない情報まで語ってしまうと、これはいわゆる『神の視点』になってしまいます。これは、戦記物など大量の人物を書かなくてはいけない小説などで用いられる傾向があります。
神の視点は、絶対に使ってはいけないというわけではありませんが、変な癖をつけないように視点の使い分けが意識できていないうちは避けたほうが賢明です。

ちなみに、数は少ないですが二人称の小説なんかも存在します。

初心者は一人称と三人称からマスターしようね♪
一視点と多視点

人称の次に考えてほしいことは、何人の視点で物語を観測するかという点です。
一視点は、ひとつの物語の最初から最後まで誰か特定の人物の視点で語ることになり、その多くは主人公となります。

ワトソンくん視点というのもあって、名脇役が主人公の活躍ぶりを端から見ているような小説もあるわよ。
一方、多視点は、複数の人物の視点から物語が観測されることになります。
先に挙げた、『1Q84』も青豆と天吾の二人の視点を交互に繰り返しながら進んでいきます。
複数人の行動や心情をかき分けるのに便利な一方で注意点もあります。
- ひんぱんに視点を変えない
- 一人称と三人称を混ぜない
- 誰の視点で語っているか明確に示す
視点の移動は読者を混乱させる原因になりやすいため、極力使わない方が賢明です。

一話のなかで視点が変わる手法はおすすめしません。
しかし、物語の性質上、どうしても一人の人物の視点だけで語ることがむずかしい場合も多々あります。
これを解消するためには、章や節ごとで視点が変わるようにデザインし、目次でこの節や性は誰の視点で語っているか示しておけば良いでしょう。
ボクも『シェアワールド』を書いたときにこの手法を使いました。
途中で一人称が三人称になったりと、視点が乱れると今誰がしゃべっているのかわからなくなり、読者は混乱してしまいます。

だれの視点で語っているのか意識しながら書きましょう。
視点をどう使い分ける?
キャラクターの心情を表現したい場合は一人称をおすすめします。
一方、複数のキャラクターの視点で物語を書きたい場合は三人称がおすすめです。
これは、主語を名詞で書く三人称の方が誰の視点なのか読者に伝えやすいためです。
一人称でも視点の移動をスムーズに行えれば多視点でも問題ないのですが、誰の視点でしゃべっているのか説明しにくいためあまりおすすめできません。

ライトノベルだと、この欠点を解消するために、ボクやワタシ以外に、オレやワッチやワシとか、いろんな呼び方を使って読者に誰の視点なのか伝えやすくしているよ。

登場人物のキャラづけにもなるね(*´▽`*)
まとめ
- 視点の違いは距離感の違い
- 一人称はキャラクターの心情を深掘りしやすい
- 三人称は客観的に説明しやすい
- 視点の乱れは読みにくさの原因になる
ライトノベルで一人称が多いのはキャラクターを描いた作品が多いからといえます。
また、ミステリー小説や戦記物など、多数の人物が登場する小説は三人称が多く用いられます。
このように、作品の内容と視点・人称の相性を確かめながら書くと、あなたの小説はよりおもしろくなります。
ぜひ誰の視点なのかを意識して書くようにしましょう。

それでは良い創作Lifeを!!
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